- M-1などで漫才が始まるときに芸人がマイクの高さを片手で調整しているけど、どういう仕組みなの?
- あれは漫才専用のマイクスタンドなの?
テレビで『M-1グランプリ2024』を観ていて気になったのですが、芸人さんが「ど〜も〜」と言いながら登場してスタンドマイクの前に立ったとき、片方の芸人さんがマイクスタンドを片手で掴んでスッと高さを上げ下げしているじゃないですか。
あれってマイクスタンドはどういう仕組みになっているんでしょうか。
例えば右手でマイクスタンドのグリップやネジのような部分を緩めて、左手で高さを調整し、最後に右手でグリップを締める、という動作なら理解できるのですが、最近はマイクスタンドの上部を片手のみで掴んで上げ下げしている様子をよく見ます。
あれは漫才専用に作られたマイクスタンドなのでしょうか。気になりますよね。
そこで、漫才に使われるマイクスタンドやマイクについて詳しく調査してみました!
漫才のマイクスタンドはどういう仕組みになっているの?
片手で高さ調整ができるマイクスタンドは「油圧式」
上の動画の冒頭を観ていただくと分かるのですが、オズワルドの伊藤さん(画面右側)がマイクスタンドを右手掴んでスッと引き上げていますよね。
よく見ると指3,4本で軽く挟んでいるだけなのに軽々と引き上げられているのが分かります。そして指を離してもマイクが下がらずピタッと止まっています。
一方で下の動画では、ロングコートダディの兎(うさぎ・画面右側)が、左手でマイクスタンドの中間にあるグリップを回しながら右手で高さ調整をしています。
これらのマイクスタンドの違いは何なのでしょうか。
じつは、片手で高さ調整ができているマイクスタンドは「油圧式(フリーストップ型)」となっているのです。
例えば、昇降式の椅子を思い浮かべてもらえるとイメージしやすいかもしれません。
昇降式の椅子は、座った状態でレバーを引くと高さが下がり、座らずにレバーを引くと高さが上がりますよね。あれとほぼ同じ仕組みなんです。(昇降式椅子の場合は「ガス圧式」であることが多いですが)
油圧式マイクスタンドの場合は昇降式椅子よりもさらに操作が手軽で、レバーを介さなくてもスタンドを引き上げるか、または押し下げるだけで油に圧力がかかり、力を加えた方向に伸縮するのです。
そして力を緩めた瞬間に圧力も弱まってマイクの高さが固定される、という仕組みなのです。
高さの調整方法は「フリーストップ型」と「クランプスリーブ型」
スタンドマイクは高さの調整方法で大きく2種類に分けられます。
マイクスタンドでは「フリーストップ型」は珍しい種類のようで、「TOA」というメーカーの「ST-310F」などが該当します。
https://www.toa.co.jp/products/prosound/microphones/microphones_stand/microphones_stand_st-310f.htm
一方の「クランプスリーブ型」はほとんどのマイクスタンドが該当します。
有名どころでは「K&M ( ケーアンドエム ) 」というメーカーの「20120B(ST201/2B)」などがメジャーなようです。
https://www.k-m.de/produkte/mikrofonstative/bodenstative/solostative/201-2-mikrofonstativ-schwarz?c=3456
ちなみに「クランプスリーブ型」はマイクスタンド以外でいうと、例えばモノを固定する際に使う突っ張り棒なども同様の仕組みですね。
「フリーストップ型」は、例えばスマホスタンドで角度調整が無段階でできるものってありますよね。ああいうものをフリーストップ型と呼ぶそうです。
あのマイクスタンドは漫才専用なの?
結論を言うと、「フリーストップ型」のマイクスタンドは漫才専用というわけではありません。
例えば音楽機材専門のサイト「SOUND HOUSE」でも、先述しました「TOA ( ティーオーエー ) / ST-310F フリーストップマイクスタンド」が販売されています。
「SOUND HOUSE」公式サイトより
つまり、音楽機材とし一般的に取り扱われているようですが、片手で高さ調整ができるという点が漫才においては特に便利であるため、漫才のステージでよく使われるようになったのでしょうね。
ただ、グリップで高さ調整をする「クランプスリーブ型」に比べて高価であるため、全ての劇場に用意されているわけではなさそうですね。
まとめ
ということで、漫才に使われるマイクスタンドの高さを片手で調整できる仕組みなどついてまとめました。
マイクの高さ調整にも芸人さんの個性が出ているかもしれませんので、そういう点にも注目しながら漫才を観ると面白いかもしれませんね。
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